
らんちう
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あんまりのこころさむさに
うらにわをほじくりかえしていると
かなしいいろの水が湧いて
あふれるばかりの水が湧いて
だぁれも知らなくなっちゃった
遠い砂漠の隊商が
行列になってくみにくるよ
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月夜の公園の鉄棒で
見知らぬ子供たちがならんで
ななめけんすいしてるよ
ふくれあがった月の夜だよ
ぼくたち栄養が足りないのです
半分消えかかった身体で
ななめけんすいしているよ
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魚で一番悲しい金魚
金魚で一番悲しいらんちう
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それはそれは昔の事でございました
中国の王妃様がふと川の流れを見たところ
ああ 背ビレのない魚が
ゆるゆると上流の方から
下流の方まで流れてまいりました
それを見とれた王妃様
ドブンと川へ ごきげんよう
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夕暮れの空に金魚をおいかけ
ぼくらは竹ざおみたいな脚を
土手につきさしてさまよった
ぱきぱき音たててさまよった
景色がまっかっかに腫れちゃった
そんなさびしい上空で
金魚の記憶がないてるよ
金魚の記憶がないてるよ
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らんちう de たま – Letras & Covers