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ロミオとジュリエット

神野守huatong
nicedavishuatong
歌詞
作品
声劇「ロミオとジュリエット」

ロミオ役の〇〇です

ジュリエット役の〇〇です

よろしくお願いします

【ジュリエット】

たった一つの私の恋が

憎い人から生まれるなんて

知らずに逢うのが早すぎて

知ったときにはもう遅い

憎らしい敵(かたき)が

なぜに慕わしい

恋の芽生えが恨めしい

【ロミオ】

あの窓からこぼれる光は何だろう?

向こうは東、とすれば

ジュリエットは太陽だ!

【ジュリエット】

ああ、ロミオ、ロミオ

どうしてあなたはロミオなの

お父様と縁を切り、その名を捨てて

それが無理なら

せめて私を愛すると誓って

そうすれば、私は

キャピュレットの名を捨てましょう

【ジュリエット】

私の敵(かたき)はあなたの名前

モンタギューでなくても

あなたはあなた

モンタギューって何?

手でもない、足でもない

腕でも顔でも、

人のどんな部分でもない

ああ、何か別の名前にして!

名前がなんだというの?

バラと呼ばれるあの花は

ほかの名前で呼ぼうとも

甘い香りは変わらない

だから、ロミオだって

ロミオと呼ばなくても

あの完璧なすばらしさを失いはしない

ロミオ、その名を捨てて

そんな名前はあなたじゃない

名前を捨てて私をとって

【ロミオ】

ぼくは船乗りじゃないけれど

たとえあなたが

最果ての海の彼方の岸辺にいても

これほどの宝物

手に入れるためなら

危険をおかしても海に出ます

【ジュリエット】

私の気前のよさは

海のように果てしなく

愛する気持ちも海のように深い

あげればあげるほど

恋しさがつのる

どちらもきりがないわ

【ロミオ】

君の小鳥になりたい

【ジュリエット】

そうしてあげたい

でも、かわいがりすぎて殺しちゃうわ

【ジュリエット】

来て、やさしい夜

来て、すてきな黒い夜

私のロミオをよこして

私が死んだら、ロミオをあげる

ばらばらにして

小さな星にするといい

そしたら夜空はきれいになって

だれもが夜に恋してしまい

ぎらつく太陽をあがめる事など

やめるだろう

【ロミオ】

哲学なんかまっぴらです

哲学でジュリエットが作れますか

【ジュリエット】

もう行ってしまうの?

まだ夜は明けていないわ

あなたのおびえた耳に響いたのは

あれはナイチンゲール

ひばりじゃない

夜な夜な向こうの

ザクロの木で歌うの

本当よ、あれはナイチンゲール

【ロミオ】

ひばりだった

朝を告げる鳥だ

ナイチンゲールじゃない

ほら、あの東のほう

ちりぢりの雲をつなぎ合わせるのは

嫉妬深い光の筋

夜空にまたたく灯火(ともしび)は

燃え尽き、陽気な朝日が

もやのかかる山のいただきから

爪先だって顔をのぞかせている

【ロミオ】

さあ来い、無情な道案内

さあ、味気ない先導役

おまえはやぶれかぶれの舵取りだ

波に揉まれて疲れた小舟を

今こそ岩にぶちあて、打ち砕け

わが恋人に乾杯! …〔飲む〕…

おお、嘘はつかなかったな、薬屋!

おまえの薬はよく効くぞ

こうして口づけをして死のう

【ジュリエット】

ああ、意地悪

全部飲み干して

あとを追う私に

一滴も残してくださらなかったの?

その唇にキスを

まだそこに毒が

残っているかもしれない

私を殺して、あなたのキスで

あなたの唇、温かい

作:シェイクスピア 河合祥一郎訳『新訳ロミオとジュリエット』(角川文庫、2005)からの引用

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